中国での数奇な出会い

それは私が上海に留学していたときのことでした。
留学先の大学では、ときどき留学生のみで団体旅行が企画されます。たしか、西安への旅行(二泊三日)だったと思います。
バスに乗って出発を待っていると二人の背の高い女性が出発ギリギリで乗車してきました。一人は前の席へ、もう一人は私の隣に座りました。それが彼女との出会いでした。
その後、列車に乗り換え、一路西安へと向かいます。彼女は釜山出身で連れの韓国人女性とともに、西安旅行を満喫しました。寝台列車の中でいろいろ話をしたり、西安の城壁の上を自転車で走ったりしました。

三カ月後…。
私の中国語がうまいということでガイドを兼ねて、彼女とその友達の三人で上海から内モンゴル(北京のさらに北)へ旅行することになりました。
帰り道、北京から上海に戻る途中、どうしても上海行きの列車の切符が買えず、上海の西にある杭州までの切符を買いました。
その日はおりしも皆既日食の日。
太陽、月、地球の順で星が一直線に並びます。
昼にも関わらず、周囲の自動車や景色が暗闇に包まれました。彼女は強引にタクシーを止め、無関心な運転手も巻き込んで数分間の天体ショーを楽しみました。
あれは今、振り返っても実に不可思議な体験でした。