ある雨の日のことです。

その日は主人と近くのスーパーに食材を調達しに行く日でした。

我が家では、一週間に一度その日を設けて、重い荷物を主人と一緒に買って帰ります。

雨なので洗濯はできないし、傘と荷物を両手に持ちながら出かけることを想像すると、憂鬱でした。

気分を上げよう、ととりあえずクッキーを焼きました。

部屋いっぱいに甘い香りが漂って、はぁ、自分はこんなことでも憂鬱からハッピーに変われるんだ、と嬉しいような、単純すぎて少し馬鹿馬鹿しいような・・・

だって私が雨で憂鬱になっているときも、クッキーを焼いて幸せを感じているときも、主人はソファの上で全く体制を変えずにケータイゲームをしているんですもの。

まったく、何を考えているのやら。

夕方、スーパーの値引きが始まる頃、いざ出陣です。

あれとこれと、と買わなければならないものを頭の中で整理して、止みそうにない雨の中、主人と出かけます。

途中で、大変なことに気づいてしまいました。

エコバッグを忘れたのです。

今はどこもレジ袋をタダではつけてくれません。時代は変わったのです。

「エコバッグ忘れた!」

と言うと、主人は、

「スーパーで買えばいいよ。」

と言います。

スーパーで買えばいい?一枚何円かお金がかかるものを?

こういう時、考え方の違いが出てきます。

私は主人をそこで待たせてエコバッグを取りに行きました。

長靴を持っていてよかった、と思える瞬間です。

さて、スーパーにやっと着きました。

欲しいものをせっせとカゴに入れて、お買い物はすぐ終了。主婦に迷いはありません。

お会計を済ませて、エコバッグに荷物を入れていきます。

ふと見上げると、セロテープが置いてある棚に紙がぶら下がっています。

「雨の日レジ袋無料」

ふと、笑みが溢れました。